戦争終結か、非核化か=米朝の溝「最初から」―首脳会談1カ月(時事通信)

米朝首脳会談トランプ大統領金正恩朝鮮労働党委員長が共同声明でうたった朝鮮半島の非核化プロセスを開始するには、北朝鮮の核・ミサイル開発計画の全容把握が不可欠となる。

 一方、北朝鮮側は計画を申告する前提条件として朝鮮戦争(1950~53年)終結への取り組みを強く要求。両首脳の合意事項に対する思惑の違いが鮮明になっている。

 首脳会談後に行われた米朝高官の「継続交渉」は6、7両日の平壌での1回のみ。ポンペオ米国務長官は「極めて生産的」と評価したが、北朝鮮側は「米側の態度と立場は遺憾極まりない」と反発した。

 こうした現状に関し、米国の北朝鮮専門家ロバート・カーリン氏は北朝鮮分析サイト「38ノース」で、「米朝は最初から、シンガポールでの合意内容の理解で根本的に食い違っていた」と指摘。特に朝鮮戦争終結をめぐる双方の捉え方にずれがあることを示唆した。

 米朝共同声明は「新たな米朝関係の樹立」と「朝鮮半島の持続的で安定した平和構築」を明記した。長崎大核兵器廃絶研究センターの吉田文彦副センター長は「(朝鮮)戦争が終結しない段階では、北朝鮮は攻撃の標的になり得る核関連施設の情報を提供しないことを意味する」と解釈する。

 実際、北朝鮮外務省によると、金英哲党副委員長らはポンペオ氏との協議で、朝鮮戦争休戦協定の締結から65年となる今月27日に終戦宣言を発表することを提起している。米側はこれを受け入れず、非核化の第一歩となる核計画の申告を求め、平行線をたどったとみられる。

 4月の南北首脳会談で署名された板門店宣言によると、韓国と北朝鮮は年内に朝鮮戦争終戦を宣言し、平和協定に向けて南北米3者、または南北米中4者会談の開催を模索する。吉田氏は「今後は韓国が米朝間の調停役として動き、板門店宣言の履行に向けてどのように働き掛けるかがポイントとなる」と話した。